リベットツールを研究する

須藤

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 特に大戦前半までの車両が好きな人間にとって避けては通れないのはリベット植えです。1車両作るのに大量のリベットが必要となるのですが、なかなか良い方法が無く、他のキットからはぎ取って使っていました。

 あのグリーンランドさんの「パンツァーモデリング・マスタークラス」では、ポンチでゴム板の上にアルミ板を打ち抜いて作る方法が紹介されていました。その辺の記事を参考に金属パイプやシャープなどでやってみても、満足できるものは出来ませんでした。また、接着や扱いやすさから金属ではなくプラでできないものだろうかと、いろいろ試行錯誤してはいましたが、これはという方法は見つけられませんでした。

 しかし最近新しいツールが発売されてきまして、なかなかいい感じだったので、いくつかレポートしてみます。
 
グンゼ リベットツール 旧グンゼのリベットツール(戦車用)です。(クレオスになってから無くなってしまったのかなー、HPにはありませんでした)極細のポンチみたいなものです。

 最初、グリーンランドさんの本の影響かハンマーで打ち抜いてみたのですが、うまくいきませんでした。
グンゼ先端 ツールの先端です。先端の穴は途中の切り欠きまで貫通しています。極細のポンチですね。

 しばらく経って、後でふれるビーディングツールにハンドルが付いてくるということから、ハンマーはなく手で突き刺すようにしてはどうかと思いまして、やってみると大正解でした。
図 出来るリベットはツールの穴にたまるように思えますが、実はゴム板のにめり込む感じになります。しかもゴム板の側が丸くなります。
 何となく不思議なのですが、私なりに推察しますと、手で突き刺すと、ハンマーよりゆっくり作用するため、プラ板が引っ張られて変形します。で、引っ張られた部分が薄くなり丸くなるのではないかと思います。
ビーディングツール 上で紹介したリベットツールは思いの外良かったのですが、私が欲しサイズよりちょっと大きめだったので(イメージとしてはタミヤのスチュアート軽戦車ぐらい)、以前から気になっていたビーディングツールセットを手に入れてみました。
 内容は丸穴パンチ23本、木製ハンドル、ゴム板です。
ビーディングツール先端 先端は上のツールとは違いへこんではいますが、貫通していません。へこみはリベットの頭のように、丸くなっています。
ゴム台 セットに付属しているゴム板は柔らかすぎ、リベットがめり込みすぎてしまうため、東急バンズでゴムブロックを購入しました。
 まだ試行錯誤の段階ですが、ゴムの材質のほか、厚さの違いも影響がありそうです。
プラ板 リベットに使うプラ板は切れ端で十分です。厚さはリベットの高さに合わせて適当に選択しますが、あまり厚い物は手で打ち抜くのは難しいかもしれません。
 プラ板の片面に色を付けていますが、これはリベットが小さいため、表か裏か分からなくなるためです。(プラ板は白いので表裏がわかりづらいのです。)
使用例 こんな感じでプチプチ作っていきます。出来たリベットがどこかに行かないように、大きなタッパの中で作業しています。
量産 リベットはこんな感じでできあがります。突き刺す微妙な角度の違いで、縁が欠けたり、バリが出たりするものもありますが、これは慣れの問題でしょうね。

 いまのところこんな感じで作っていますが、パンチの先端が丸いくぼみなのが気になります。ちょうどリベットの頭のようなくぼみなのです。別の方法が判明したらまたご報告したいと思います。
完成 出来たリベットを貼り付けて、サーフェイサーを吹いてみました。こうして拡大してみるとけっこういびつな感じですが、結構いけるのではと思います。
 それよりもリベットを取り上げる方法が問題ですね。これではデザインナイフで刺してあつかったのですが、右端のリベットにその後がくっきり残っていますね。まるでねじの頭のようになっています。