GERMAN HEAVY MACHINE GUN TEAM

須藤

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全景

1.はじめに

 この作品はアーマーモデリング誌第14号に掲載された作品です。記事の中では紙面の都合もあって、構想などを中心に書きましたので、ここでは実際の制作面について書いてみたいと思います。

2.フィギュア
 このキットは基本的には良く出来ていると思います。特に指揮官と装填手はレジンキットにも劣らない大胆なポーズでかなりいい感じです。しかし、インジェクションキットの宿命で、モールドがつぶれたり浅くなっている所がありますので、そこを彫り込んでやると見栄えがしますし、塗装が楽になります。 また、装備品はパーツのまま接着すると浮いてしまうので削って一体感を出すと自然に見えます。
 ドラゴンのフィギュアの顔はあごが広めでえらが張っているドラゴン顔とも言える特徴を持っています。ドイツの人でこういう人はいないとは言いませんがイメージじゃないので、ほほ・あごをけずってやるとなかなかいい感じになります。キットの顔も以外と使えると思いました。以前クラブの仲間に顔の塗装がうまくなる方法はいいヘットを使うことだと言われた事がありました。確かにいいヘットは造形が塗装のガイドの役割をして楽に塗れるのでフイギュアアップ、スペアヘットを使われる方が多いと思いますが、気がついたら似た顔だらけとなってしまう事もあります。そんなときはキットのヘットをいじってやるのも一つの手だと思います。
 このキットで最大の問題点は機銃手が前のめりになっていて、三脚と合わない事です。対処方法としてはとりえず大まかに足の角度を修正し、後は手を別パーツとし、ベースにセットする段階で調整しながら接着しました。  あと、私の場合作品を郵送しなければならないので、ベース固定用以外にも各接着部分に真ちゅう線を入れて補強します。補強はしつこいかなと思えるぐらいが丁度いいと思います。

3.T−60
 今回製作したのは1941年型回収の増加装甲付きです。スターリングラードに登場していたかは不明ですが、つい珍しい型を選んでしまいました。改造型とか回収型とかなぜか引かれてしまいます。
 現在手に入るTー60のキットとしてはズべズダとマケット社のキットがありますが、両者を見比べて出来が良いと思われたマケット社のキットを使用しました。このキットはロードホイールの選択で1941年型と1942年型が選べるようになっていますが、延長マフラーは付属していませんので自作しました。またバキュームホームの増加装甲板が付属していますが、これは変形していて使えない状態でしたのでこれも自作です。あと、砲塔が小さいような気がしましたので、底にプラ板を張って高さを増やし、増加装甲をつけるとそれほど気にならなくなりました。
 放棄車両の表現として、ハッチ・収納箱等を開きっぱなしにする・キャタピラを切る・ライトをレンズなしの状態にする、武装をはずすなど行いましたが、砲塔ハッチは実際はプレスで作られたように内側がへこんでいますので、プラ板を巻いて縁を表現しました。またこの様なハッチ類は接着面積が少なく、衝撃に弱いので、真鍮線を通してやります。

5.ベース
後ろより ベースの製作はまずスタイロホームで大まかな地形を作り、フィギュアと車両の配置を決め、余分なスペースを切りつめていきます。これに合わせてベースの木枠と、バルサ材で壁を作り塗装・ニス等で仕上げてから表面をマスキングし、先ほどのスタイロホームを木枠にセットします。そして木枠の境目まで、木工用ボンドを混ぜた紙粘土をのばして地形を作り、その上に数種類の大きさをブレンドしたコルクパウダーをまきます。コルクと瞬間接着剤はとても相性が良く、ベース完成後の小物や草の接着が非常に楽なので、個人的には気に入って使っています。またコルクパウダーの固定にはマットバーニッシュをアルコールで薄めた物を使いますが、これは乾くと艶消しになり、塗装後にも使えるので、パーツ等接着にも重宝しています。そして、コルクが乾く前に瓦礫を埋め込み、乾燥後塗装します。そしてT−60をベースに固定し、すきまをコルクパウダーで埋め、乾燥後すきま埋めに使ったコルクを塗装、フィギュアや小物を接着して完成となります。

5.感想等
 今回は初めて一人で記事をやったのですが、締め切りの怖さを思い知らされました。時間配分を間違えて、締め切りを伸ばしてもらったのですが、最後は会社があるというのに完成したのが、朝の5時と言う有様でした。とにかく形にしなければならないと言うことで、フィギュアに手の脂をべっとりつけてしまったし、ベースも物足りない物になってまいました。もう最後は判断力ゼロって感じでした。正直いって、もう1日気分を変えて作品を見直す時間が欲しいかったです。記事に関しても当初の予定の半分の字数になってしまい時間もなかったので変な文章になってしまいました。(このHPの記事はその時の残り分を中心に使っています。この辺も作品の出来とページ数の関係からこうなったのだと思います。雑誌で写真が暗かったり、アップが少ない物は出来が良くないので見せられないと言うことだと思っていますが、まさにそれと言う感じです。
 反省ばかり書いていても言い訳じみておもしろくないので、良かった点は真剣に作らなければならなかったと言うことが、刺激になったと言うことです。コンテストもそうなのですが、意識が変わるというかレベルアップに少しは役だったかなと思います。目標があるとやっぱり燃えますよね。今は畜生!次は見ていろって感じです。
 それにしても、仕事をもちつつ定期的に作品を発表しているプロの方々はすごいです。私なんかこんな小さな作品でへろへろになっているのに、それがプロなんでしょうね。
 年に1〜2作ぐらいのペースでたまに雑誌に作品が載るってのが理想だなーと思いますが、その前に雑誌の中で一番へたな作品を作った作者にお声がかかるかどうかが問題ですよね。ぜひ雪辱戦はやらせてもらいたいと思っていますが。それにフィギュアも練習しなければ...。まだやることはいっぱいあります。


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