エレファント(イタレリ) 製作メモ 

島津

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エレファント全体 イタレリのエレファントが出て20年近くなると言うのに、未だに決定版的キットが無い。が、あくまで噂だが、ここに来てドラゴンが企画していると言う。ドラゴンも一時のラッシュ状態も収まり、今はフィギュアのみをコンスタントに出し続けている。(それはそれでありがたい事だし、今度の1/9フィギュアシリーズも大変楽しみだが!!)そこで昨年、手をつけていながら、ほったらかしのままになっていた、エレファントを再開。ドラゴンから出る前に上げてしまうと言うより、昔から一度はキチンと作りたいとの思いがあった訳で、私としては大フンパツして、フリウルのキャタピラを買ったこともあり、今回ようやく仕上げた次第であります。

 さて、キットに恵まれない割りに何故か製作記事は割と多く、古くはMAの後藤氏の記事(これでエレファントのカッコ良さを認識したものだった)、そしてMAの山梨氏、新しい所でタイガーフィーベルがあり、それらを参考にし、あと大日本絵画の「重駆逐戦車」があればベストといった所。と言うわけで、製作ポイントは模型誌であまり触れられていない所を少々。

@砲身はやはり細い感じがするので、今回初めてクリッパーモデルの物を使用してみたが、マズルブレーキの出来が今ひとつだったので、ティッシュでカバーを再現した。あと、砲身部にも気泡が多少あり、溶きパテを塗ってやったが、砲身全体のイメージはグッと良くなる。

エンジンルームアップA機関室上面グリルに付いている小さな燃料口キャップの向きが逆さなので、モールドを削り取る前に「型想い」を使って型取りしておき、逆向きにしてやった。ちなみに右側のキャップは半かけ?状態を再現してやろう。

B機関室上面の照準器レールを修正。ここは「重駆遂戦車」の図面を参考に右側部分を削り取り、左側に移植、照準器の穴も開け直してやり、他キットより照準器をコンバートした。

C左右後半部のフェンダーは長さを切りつめ、薄く削り、上面の滑り止めを再現。ここは元になったアバディーンの車両のオリジナルフェンダーが欠損、付け足した物をそのままモデライズしたためだ。さて、フェンダーはアベールのエッチングが出てるので、そっくり替えてやる事も可能だが、例によって安く楽しむのが信条の私としては、またまた「型想い」を使い、前部フェンダーのモールドをレジンにて薄く型取りし、移植した。前部フェンダー内側の折れ曲がってる部分にも同様に移植してやると良い。

Dさてキャタピラは今回前途の通り、フリウルモデルスを使ってみたが、これがほぼ完璧な出来。あのエレファント独特のパターンを治具を使って簡単に再現してくれるが、残念な事にイタレリのドライブスプロケットとアイドラーとの相性はそれほど良くない。(作例では部分的に瞬着で付けてある)でもってここに来て、中国製(編集注:正確には香港製)のフリウルのコピーと思われるインジェクション連結キットが出回っているらしい。(エレファントのは未見だがホチキスのは地元の店で¥2,200)うーむフリウルの半額以下か...。これから作ろうと思っている人は要チェックか?
エレファント後部 それにしても何故エレファントのカステン版が出ないのか?富岡さんは現在のキットの出てる物は全部出したいと言ってるのに。..ナゼ!?いや、ドラゴンが本当にエレファントを出したらきっと可動式のヤツを出すんだろうな...多分。ともあれ初めて使ってみたフリウルだが、このエレファントに関しては”値”があったと言っておこう。正にディテールアップパーツとしてみれば、40〜50%はあなたのエレファントがカッコ良くなるはず。

E塗装に関しては、MA増刊の荒屋敷さんの方法(エッジ部分に下地色を吹いておく)プラス、高石師範方法のサビ・ハガレ・タレ等をミックスしてある。色的には明るめのダークイエロー(デザートイエロー60+Fイエロー30+Fホワイト10)、ダークグリーン(Fグリーン70+Fイエロー30)、レットブラウン(レットブラウン70+Fイエロー20+Fブラウン10)のオリジナルを使ったが、1回目はどうも納得行かず、ウォッシング・トライブブラシまで行ったがやり直し。で、まぁいい色が出たかなと納得。ちなみに私の場合、ワイヤーロープやペリスコープ、機銃等は(時にはスコップや斧等も)グンゼのメタルカラー・ダークアイアンを使っている。塗った後筆や綿棒で好みにより擦ってやると、鈍く光りよい感じになるが、茶系のパステルを最後に刷り込んでやるのを忘れずに。

                    (おわり) 
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