レベル 1/72 四号戦車H型 製作記

島津

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正面 少し前にMG誌にレベルの72の四号が紹介されていた。それをパッと見た時は35の四号だと思ったら、ナント!72じゃないの!!おおぉ!このプロポーション!35並だぜこりゃ!と言う訳で自称四号フリークの私としてはコリャ黙って見てる訳にはイカン!と早速購入してみたのだった。

 1600円はちと高いなぁと思ったが、中身の方は期待にたがわず凄い出来!!このスケールとしては(って言うよりあらゆる四号のキットの中でも)最高水準ではなかろうか?モールドのシャープさ、パーツ割り、組み易さ、プラの柔らかさ、そして抜群のプロポーション!これはもう「ミニスケール界のタミヤ?」と思ってしまう程。
 中でも「足回り」特にキャタピラは最近のミニスケールの定番となりつつある一部連結の組上げ方式となっているが、プラが柔らかいため指で簡単に「たるみ」や「クセ」が付けられそのモールドと組み易さは正に驚異的で、出来上がった時はちょっと感動してしまったくらい凄い!

 以前に紹介したフジミのタイガーも大変素晴らしいキットで同じ方式だったが、惜しいかなチョイとキャタピラの噛み合わせ悪かった。しかしこの四号は更に小さいのにキャタピラがキッチリとスプロケットと噛み合うのだ!!う〜〜ん…いや〜世の中、ワシが別荘に行っとる間にえろ〜進んでしもうたの〜わしゃもうよう付いていけんわい…と急に広島弁も出ようと言うもんだ(なんで?!)。
 
 まぁ、このスケールなので当然省略されてる所もあるがプロポーションがカッチリ四号してるので、後は好みでディティールを追加すればするだけカッコ良くなるって寸法。で、作例で今回手を入れた所はと言うと…「砲塔」では1、マズルブレーキ上部にボルト追加。2、左右ハッチ上部の雨トイをプラペーパーで追加。(その横に本当は取っ手が付くんだけど省略してしまった…ちょっと後悔)3、ゲペックカステンの留め具を伸ばし伸ばしランナーで追加。4、砲塔シュルツェンとステ‐を薄くし、シュルツェン左右ハッチ開口部の裏側にはすじ彫りを入れる(誰がスジモンだ〜ッオ−っ?!でハッチストッパーも付ければ完璧!)。「車体」では1、やはりステーを薄く削る。2、前部フェンダー内側のディティールを追加。ちなみのこの辺や雨ドイ上部のボルト表現には他キットからの「移植」は無理と判断し「瞬着のゼリータイプ」を「点付け」して再現してみたがそれらしくはなるゾ。5、車体前部のキャタピラ止めステーをプラペーパーで追加。6、同じく前部左右の牽引フックには真鍮線をL字に曲げて追加。7、左側面に付くスペアホイルケース。左右の段差をパテ埋めし、正面リブのモールドを追加。ついでにスペアホイール押さえバーも伸ばしランナーで追加。8、ドライバーズハッチ左右のハッチストッパーをやはり真鍮線を埋め込んで再現。トランスミッション部の所にも予備キャタを乗せたがこっちの留め具は面倒そうなので作らなかった。

側面 後は各所にツイメリットコーティングを再現。ミニスケールにはいつもの「タミヤパテ+ラッカーシンナー(溶ける奴ね)」を筆塗りし「精密ドライバーセット」にてキザミを入れてやる。ラッカーシンナーでパテを溶かすとプラの地肌も適度に溶けて上手くキザミが入れ易く楽なのでオススメだがこの方法、エッジが丸くなってしまい35クラスには向かないのだ。そう言えば昔の「ボークスのコーテングパテ」もそうだったなァ…簡単なんだけどなんか実感が無いと言う…ま、もうそんなの知らんと思いますが…。後はお約束の車体後部のマフラーに穴を開けてやったくらいかな?

 で、塗装なのだが今回は「ダブルウオッシング法」ってのをを試みた。その方法をば一応解説。まずキットが組み上がって後は塗装と言う所で一度エナメルのF・ブラックでウオッシングしてしまう。サフェーサーは吹いても吹かなくてもいいが、凹部のモールドにしっかり黒が入るようにする。しかし平面部には綿棒にシンナーを含ませ、なるべく綺麗に拭いておく様にする。これで第一ウオッシングが完了で基本塗装の準備も整った。
 そこでいつも通りタミヤアクリルで基本塗装する。先ずD・イエローを吹く。この際、凹部の黒はなるべくは潰さない様にしておいて迷彩色も吹く。で、3色が乾いたらハンブロールのFブラウン+Fブラックでウオッシング。これは拭き取らず洗いっぱなしでいい、これが第二のウオッシング。えっ?ダブルウオッシングの意味?ふむ、解説しようってそんなたいしたモンではないが…。
ダブルウオッシングとは?
 基本塗装を終わらせてからの第二のウオッシングは、あくまで基本+迷彩のトーンを落ち着かせるための物、だから拭き取りもしない。トーンダウンウオッシングとも言える。しかしこれはあくまでブラウン系のウオッシング(昔は何も考えずFブラックをバシャバシャと塗ったくっていた!あー恐い!)なので凹部へのメリハリは弱い。で、35だと平野さんのように面相筆で後からブラック+グレー系で凹部へ書き込みをやるのだが、このスケールだとけっこう大変と思い先にブラックを入れてみた次第。まぁ基本塗装の後にやると汚くなり易いのを防ぐってのが一番の理由かな。それでも最後にはリタッチを入れて仕上げをしているけどね。結論としてはそれなりの効果があったと思うが今後は35でも試してみたいと思う。その際はまた報告しますワ!。

背面 おっと忘れていた「マーキング」はいつも通りデカールマスキング法(模型研究室参照)で白ナンバーを吹いておき中を赤で塗った!。このスケールで中塗りをやったのは初めてだったが、やった効果はあったと思う。(しかもハンブロールの赤が入手できずタミヤのエナメルで塗った…ま一日置けばウオッシングしても大丈夫だったが!)しかしこのスケールだともはや完全にルーペ無しでは無理!でんなぁ・…。

 と言う訳で、値段はチト高いが、高いなりの満足感はあると言える。そしてすでにこの四号をベースとしててっとり早くハセガワの「オストヴィント」や「ヴィルヴェルヴィント」の砲塔をを乗っけたり、新発売の四号駆逐戦車とニコイチしたりとネット上でも盛んに情報交換がされてるようだ。確かにこのキットを作ってしまうと既存の四号キットでは物足りなくなってしまうが、コレだけいい物が出ると言うのは我々デラーにとってもありがたい事であり、他メーカーへの刺激にもなるのではないだろうか?以前フジミのタイガーが出た時もイチオシだったが、それ以上に大プッシュのレベルの四号であった。今後もレベルのラインナップからはちょっと眼が離せないですぜダンナ!!

 で、お知らせ。この完成品は札幌の模型店『ホビーショップ・ノブ」』さんに置いてあります。ミニスケール好きの店長の完成品やキットも充実していますよ。そしてなんと道内では唯一?プライザー社のフィギュアも取り扱い始めました。ミニファンは急げ!!(2002・2・10記)

ホビーショップ・ノブ 札幌市豊平区月寒西1条10丁目5-58 
TEL・FAX011-855-2620

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