ジオラマを破壊する!           須藤

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 過去、私たちのクラブではタミヤモデラーズギャラリー向けに共同で大型ジオラマを製作してきました。そしてその後お店などに展示していただき、最後は会員の自宅で保管していました。しかし、年月が経ち、作品の出来のレベルや破損の状況から、現在の私たちにとっては思い出以上のものでは無くなっていました。そこで今回、保管している会員の負担にもなることから、処分する事にしたのですが、「ジオラマを破壊するとどうなるか」、ある意味なかなか無い経験だったので、記事にしてみました。

ジオラマ 今回破壊したのは「プロパカンダ?」という作品で、私たちの共同ジオラマの最後の作品です。この作品は初期の勢いで作っていたころに比べて、共同作業の問題点が顕著に表れ、結局だれも満足していなかったというもので、非常に大味な作品だったと思います。
 ジオラマのサイズは画像の真ん中に写っている1/35タイガー1から分かるようにかなりの大きさです。特に崖は断熱材(要するにスタイロフォームですな)の積層でできており、無駄に材料を使っているなーという感じです。

、さて、処分するにあたって考えなければならないのは、その材質です。ジオラマは燃えるゴミなのか、燃えないゴミなのか、それともリサイクル可能なのか?ゴミの分別も責任ある社会人としてはきっちり考えなければなりません。
 作品は基本的にスタイロフォームの積層で出来ており、その上にドフィックスを塗り、さらに崖にはコルクのブロックを貼り付けています。その他木はスチールウール、車両等はスチロール樹脂・金属(エッチングパーツ等)、ベースは木材と釘・ビニールの壁紙などとなっています。札幌市ではビニール等も燃えるゴミとして扱えるので、スタイロフォームは燃えるゴミと考え、それ以外は燃えないゴミとする事としました。(本当にあっているのかな?)
 
 さて、いよいよ実際の作業ですが、事前に車両等は希望者が持ち帰っており、処分はジオラマ本体だけとなりました。作業は夜だった事もあり、照明のあるガレージの中で行う事にしまして、まず用意したのが、大型カッター、のこぎり、厚手のゴム手袋です。
 
 しかし、作業を初めてみると、カッター・のこぎりは全然役に立ちませんでした。表面を覆っているドフィックスが意外に厚く、カッターなどでは刃が立ちません。のこぎりもこのサイズに対して効率が悪くて作業が進みませんでした。癇癪をおこしてけっ飛ばしてみましたが、意外に丈夫でびくともしません。
作業中1 途方に暮れて、たばこを吸いながらしばし考えていたら、ポクポクポクチーン、ひらめきました。剣先スコップです。こちらでは冬の除雪グッツとしてスコップのある家庭も多いのですが、家にも剣先スコップやツルハシ(この辺は対氷用ですが)がガレージにありました。スコップなんかは白兵戦の主要武器となるぐらい破壊力があるわけで、早速使ってみました。その後はジオラマの解体と言うよりは土木作業みたいになったのですが、あっという間にバラバラにすることがでしました。(結構快感でした)

作業中2 そして、スタイロフォームだけと、それ以外に分けたのですが、そこで役だったのが厚手のゴム手袋です。スタイロフォームを接着するときに固定するためにツマヨウジを差し込んでいたのですが、その先が意外と危険で素手では怪我をしていたと思います。

 そんな感じで作業は終了したのですが、ゴミは合計5袋にもなってしまいました。
ゴミ袋 最後の画像がそれですが、何か白いものがたくさん写ってますよね。実はコレ、ドフィックスの粉が舞っているものがフラッシュで光っているものなんですね。肉眼では気づかなかったのですが、撮影していてビックリしてしまいました。あわてて換気したのですが、ガレージ中ほこりだらけになってしましました。皆さん、ジオラマを解体するときは、外でやった方が良いですよ。
(おしまい)