1号戦車キット比較        須藤

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 今回ドラゴンからB型が出ましたので、ドラゴンのキットは果たして決定版と言えるのか、比較してみたいと思います。なお、それぞれのキットは仮組状態で比較していますが、その接着に木工用ボンドを使ってみました。プラを侵さないのであとでバラす事ができるし意外と接着力があっていい感じでした。
 昔は、1号戦車のキットと言ったらイタレリの1号戦車しかなかったんだけど、いつの間にかこんなにキットが出てたんですねー。
 画像は左からMasterBoxのA型、HiMPのA型、トライスターのA型、ドラゴンのB型、イタレリ(ズベズダ)のB型、それと大きさの比較用のADVのフォルクスワーゲンType92です。
 普通B型がスタンダードな型のような気がしますが、A型のキットが多いんですね。
 なお、もうすぐマケットとアランホビーからも1号戦車物が出るようなので、出たら追加します。
 まずは1号戦車の大きさを、実車でなじみのあるフォルクスワーゲンと比較してみます。比較したのはトライスターのA型ですが、ほぼ同じ大きさなのがわかります。1号戦車の車長がハッチから顔を出している時に見える風景はワーゲンのサンルーフから顔を出すのと同じ感じだったんでしょうね。
ドラゴンの1号戦車B型です。
 最後発ということもあり、なかなかすばらしいディティールです。
 でも、個人的には??です。まず砲塔が小さいのではないでしょうか。(これは下のほうで詳しく検証します)そして、車体上部のパーツ割りです。詳細なディティールをモールドするため、車体上部の装甲板が細かく別パーツになっているのですが、それをぴったり合わせることが難しいです。そして隙間を修整しようとすると、せっかくの溶接あとのディティールがつぶれそうです。
 わるいけど決定版とは言えないかなー。ドラゴン得意の改修でもやってくれませんかね。
イタレリ(ズベズダ)の1号戦車B型です。 古いキットなので、今の目で見るとティティールは物足りない感じがしますが、全体のプロポーションはまさしく1号戦車って感じです。
 このキットの金型はいまはズベズダにいっていますが、元々はトミーじゃないかと言うことを聞きました。そう言えば、キットのフギュアはイタレリスタンダードのミイラ顔とは違うカッコイイのが入っていましたっけ。
 ドラゴンのキットが良ければ在庫はバザー行きだなと思っていましたが、まだまだ現役かなー。
トライスターの1号戦車A型です。
 A型の決定版でしょうね。あらためてリサーチしてませんが、なんせ富岡さん設計ですから間違いないでしょう。値段は高いですが、カステンのキャタピラがついて、エッチングパーツがつて、平野さん原型のフィギュアがついてるんだからトータルで考えると納得できるのではないでしょうか。
 他のキットと比べてみると砲塔は一番大きいです。でも実車の頭でっかちな感じが良く出ていると思います。
HiMPの1号戦車です。
 前に記事にも書いたのですが、イタレリのキットを非常に参考にしていますね。同じパーツ割りではないのですが、イタレリのキットにある車体上面のキャタピララックの接着ガイドモールドがパーツは付属していないのに付いていたりします。また、新規に設計したと思われる車体後半はディティールの質が明らかに落ちています。
 さらに、丸いパンチングした排気管カバーが付いていませんのはマイナスポイントです。火炎放射型(現地改造)にもできるなど面白いところもあるのですが...。
MasterBoxの1号戦車A型です。
 がんばったんだけどメーカーとして技術が足りないって感じですね。
 画像を見て頂きたいのですが、パーツは装甲板ごとにばらばらで、接着のガイドも無く、しかも合いません。きちんと組み立てるにはある程度技術と根気が必要です。
 日本では他のキットが入手可能ですから、苦労を楽しみたい方、腕試しをしたい方以外にはお勧めしませんね。
 ドラゴンのキット、期待していたのですが、砲塔のサイズがどうにも納得いかないので、ちょっと比べてみました。左がイタレリ、右がドラゴンです。全体に一回り小さく、ハッチより前が短いです。どちらが間違いとは言えませんが、車体とのバランスが悪いように思います。

 「1号戦車はこんなんじゃない!」って思うのですが、いかがでしょうか?