モチーフに、納得のいくように作品を完成させると言うことだ。 良く、冬季の戦闘シーンをディオラマにした物を見かけるが、正直言ってピンと来る物にあまり出会はない。半年近く雪の中の生活をしている土地の人間にとって、見慣れた光景であるはずの情景は雪のない土地で育った人達の物は、どうしてもどこか違和感を感じてしまう?。(様々な条件で、降雪状態が千変万化するのだが。)
 
 今から数年前、タミヤギャラリーで金子辰也氏の作品で橋が2本架かっている情景を見て驚いた記憶がある。何故か?。大ファンであることを差し引いても非常に良い出来で見とれてしまった。変な言い方だが、雪が生きていた。 後日、お会いする機会があり納得がいった。氏の出身が雪国だったからである。(それにしてもカッコ良かったなー。モデラーでこんなに格好良い人に会ったことがない。)

  ここ、札幌のような雪多き街の住人にとって雪は身近で、厄介者だが無くてはならない物の一つだ。(半年も目にしているからね。少ないと妙に寂しい。) そんな事で、雪国の人は雪が降らない土地の人たちに比べ冬や雪のある情景に、より良い、しっくりくる物が作れるはずと言う思い込みが自分にはある。 ところが、いざ自分でやってみると、さにあらず。うまくいかないんだ、これが。 発表される作品の技術研究、素材の収集には多少頑張っているのだが。 ここで非常なギャップに苦しむ。イメージをそれなりに語れても、具現化出来るかどう かは別問題と言う事。 故に、よけい何とか自分の中では、納得のゆく形で冬を感じられる物を手にしたいと言う思いが強い。人に見せる物と言うより、自分に納得できる物を。単品であろうが、デ ィオラマであろうが。ジャンルも関係なし。兎に角、今後も冬と言う事にこだわっていきたい。