今回の作品は、かつて発売されていた空物の作品を作者自らが選び、良いところを抜粋して紹介すると言う本になっている。気に入ったところは、21もの作品を自分の好きな所から読んでも良いと言う点だ。全体が短編仕立てになっているので、最初から順番に読み進める必要がない。だから時間が無い時でも、大丈夫。(5分位で読めてしまう物もある。)

 それぞれ名のある、なしに関わらず、空戦物としては名著ばかりの良いとこ取りだから、何とも贅沢。第一次大戦からベトナム戦まで、幅広い時代にまたがっているので読んでいても飽きることはほとんどない。逆に、その面白さに何度も読み直してしまうほどだ。そこには、極限の状態の中で、生き延びる為に全力で戦って生きた男達のドラマが生き生きと描写されている。飛行機好き、戦記物好きな人には、絶対お薦めの一冊です